導入事例
■ フェイス総研お客様に聞く - 株式会社トラフィックゲート

昨今、インターネット広告の世界で確固たる地位を確立したアフィリエイト・マーケティング(成果報酬型広告)を主な事業として展開する株式会社トラフィックゲートは、楽天株式会社と株式会社サイバーエージェントとの共同出資で2001年に設立。安定雇用を目指した人事制度は、一般的なベンチャー企業には見られない独自の発想に満ち溢れており、人材の面から同社の急成長を支え続けている。
できるだけ、長い間働いてほしかった
- ■急成長企業としては異色の長期雇用という発想は、こうして生まれた
-
「人事制度導入の目的は二つありました。一つ目は人材の格付けと給与間に生じていたギャップを解消すること。当時はまだ中途採用がメインで、前職給を参考に報酬を決めていました。給与水準が高い業界で働いていた人材もいれば、平均的な給与水準で活躍していた人材もいる・・・その両者が社内で担う仕事量に、大差無い場合が多かったわけです。」
「もう一つの目的は、当時、経営陣に一つの認識として存在した『格付けルール』を明文化するということ。人材がどのような活躍をすればキャリアアップできるかを社内共通のルールとして可視化し、社員全員に伝えたいという思いがありました。
私たちが目指す事業モデルには、『積み上げビジネス』的な側面があり、社員には長い時間をかけてキャリアを成型してほしいという思いがありました。これは長期雇用によって蓄積されるノウハウが組織の発展のために不可欠である、との考えに基づいています」
『何でこんなことしなきゃいけないの』から始まりました
- ■制度に「想い」が見えなくては意味がない
- 「『定着してもらいたい』という思いを、制度としてどの様に表現するか、慎重に議論しました。他社と比較して年功序列に基づいた給与設定の幅を広く取ったのもそのためです。また、職能資格等級制度の『ハシゴ』の組み方についても検討を重ね、最終的にはシンプルなほうが理に適っているということで、6段階の等級制度が出来上がりました。給与バンドの設定に当たっては、小倉さんにずいぶんと骨を折っていただきました」
- ■しかし、制度の浸透には「時間」が必要だった
- 「当初は、新しい書類一つとっても『何でこんなもの書かなきゃいけないの?』と反抗されたり、マネージャーですら配られた資料を読んでいなかったり・・・新しい制度の定着には年単位の時間がかかるものです。焦らず、じっと変化を待ちました。その結果、制度が企業のカルチャーとして息づいていくのだ、と自らに言い聞かせながら・・・」
「ベンチャースピリット溢れる創業メンバーは、組織で動くことに不慣れでした。しかし、組織はどんどん大きくなる。手の届く範囲のことを全て自分でやっていた人々が、部下が増えるに従い、それまでの手法が通用しないと痛感する・・・そこで彼らは、初めて『人事制度って大切じゃないか』と、制度構築に取り組み始めた頃の私たちと同じ視点を持つようになります。これにも多くの時間がかかりました」
変えてはいけないことがあるんです
- ■同社の制度には、長く使える「秘訣」があるという
-
「汎用性の高いマテリアルとして、いろんな解釈が出来る部分を残したことが、長期的に耐える制度になった要因であると言えます。今後も活用し続けることが可能だと思いますよ。
当然、解釈に個々のブレが生じたこともありました。しかし、この点に関しては、評価会議による摺り合わせで平均化を行うことで解消します。この場は、管理職同士の目線の差、評価の物差しのズレなどを解消するために非常に役立っています。この点も小倉さんからアドバイスを頂きました 」 - 「『この仕組みで大丈夫なのか』と、制度の変更を考えたことは数知れず。しかし、成果が見えた今となっては『制度は変えてはいけない』という原則を大切にしています。ブラッシュアップも必要ですが制度の『幹』はそのままに、『枝葉』の部分で新しい要素を取り入れるようにしています。」
会議には最高の成長チャンスが潜んでいる
- ■いろんな発想に触れることで人は育っていく
- 「評価会議では、新任のマネージャーの発言に対して、経験豊富な他のマネージャーから、『もっと他の視点での評価があるはずだ』などといった提案が容赦無く行われます。そんなやり取りがマネージャー達の成長を促すことは間違いありません。その場では同時に、人に対する考え方や育成方法などをじっくり議論し、実務を通したマネージメントを模索することになります。例えば営業部なら売り上げや受注数を考えますが、どうしても偏りがちな発想が人材育成の妨げになることがあります。そんな時に有効なのが、他の部署の視線に基づくアドバイス。普段は気付かない発想に触れ続けることで、マネージャー達は多くの気付きを得ます。」
- ■ちょっと早めに登用することに意味がある
- 「優秀な人材を登用できることに越したことはありません。しかし、急成長を続ける企業では、そのような人事が現実的とは言えない。やはり経験の無い人材を早めに登用し、育てるという動きが不可欠になってきます。最初から出来るなどとは思っていませんが、一人ひとりに『自分の手で制度が運用されている』という自覚を持たせることが大切だと言えるでしょう。」
メンバーの成長こそが最大の財産だ
- ■「評価とは 、一体何なのだろうか?」同社における評価会議では、そんな議論から始まったという。
- 「評価会議でも、当初は『評価とはそもそもなんなのか』といった議論に多くの時間を割きましたよ。 その結果、会社にとっては、メンバーの成長こそが将来の財産です。だから、成長に結びつかない評価はするなと。 評価したい気持ちがどれだけ多くても『その結果、成長するの?.』というクエスチョンを必ず加えることにしました。
- ■「成長」というキーワードが一つの基準になった。
- 本来なら全てを制度に添った形で評価すべきなのですが、心情的にルールから外れた働きかけが起こることもあります。そんな時に『ちょっと待て』の一言が言える仕組みであることが大切です。当然、ルールから外れる事柄にも、大切な要素が潜んでいることもあります。その時は議論すればいい。しかし、原則となる基準はあくまで『成長』である、ということを大事にしています。
そして、いよいよ人が変わり始めた
- ■「職人」が「ゼネラリスト」に変身・・・人望のある上司から、デキる上司へのサクセスストーリー
- 「2001年に入社したあるマネージャーは、いわゆる「職人気質」で、部下思いというこもありで多大な人望を集める存在でした。しかし、その人望の本質は、部下が行き詰まって困っている時、その仕事を全て自分の手で片付けてしまうというもの・・・確かに、部下からすれば助かる存在です。しかし、例えば彼自身が予想外の量の仕事を抱えた時に部下が窮地に追い込まれたら一体どうなるのかと。『このままではまずいよね』と、彼とは何度も議論を重ねました。」
- ■彼の変化は、チームにも様々な影響を与えたという
- 「今の彼は部下の仕事との距離を置くようになりました。本当はもっと距離を縮めたいのだと思いますが、そんな感情をぐっと我慢しているようです。仕事の任せ方や指示の出し方、そして彼のチーム自体の動き方などから、その成長が見て取れます。例えば、チームのメンバーが、何らかの困った事態に遭遇した時、助けを求める相手が変わりました。以前なら、彼を中心とした経験豊富な人材が問題解決に取り組んでいましたが、今では一つ下のアシスタントマネージャー達がその職務を遂行しています。経験者のナレッジが、部下達に落としこまれつつあると いうことです。そして、初代のマネージャー達が育てた次世代のマネージャーが育まれつつあるということでもあります。」
ただ真剣に、考えて作ればいい
「出来合いの制度を持ってきて移植することは簡単です。しかし、それでは決して上手くいかない。
その理由は、真剣に考えられていないから。
どうせやるなら、自分の会社がどんな会社であるのか、大切にするものが何であるのか・・・
そのことを考えて制度設計することが何より重要であると言えます。」- ■「先進性だけでなく、セオリーも大切である」という考え方
- 「アーリーステージのベンチャー企業の場合、急成長している『現状』から将来を描くことが多いと思います。しかし、そこで生じるのが現実とのギャップ。社員達は、そのズレに耐えられなくなり、制度は求心力を失います。そのようなわけで、あまり先進的な人事制度はいらないと考えています。これまで数多くの会社が人事制度を構築してきた過程で、ある程度の『セオリー』が確立されています。それらを活用しながら『いかに自分の会社らしさを表現するか』ということを追求することが得策だと言えます。」
- ■経営者の決意を伝える手段として・・・
- 「人事制度の恩恵を一番に授かるのは間違いなく経営者自身です。なぜなら、同じことを言い続ける必要が無くなるから。この点に尽きます。激しい変化が伴う企業活動の過程には、『思いがブレる』という怖さが潜んでいます。そんな時に、経営陣の決意表明のような指針があれば混乱は起こりにくい。特に人材に関しては、やり直しが利かないことが非常に多いですからね。そんなリスクも、決まりを守ることに力を注げばある程度回避できてしまいます。」
『客観的な目線』は、社外にあり!
「成果報酬型の制度にしたいという意見もありましたが、『うちはメリットペイでいく』と頑なに主張しました。小倉さんとも喧々諤々のやり取りがあったことを覚えています。そんな社外のオブザーバーとしての視点や意見があったからこそ、単純なメリットペイに留まらない、広がりのある制度が出来上がったんだと思います。」
「小倉さんの口から語られる、制度構築に関する様々な事例はどれも進歩的で、様々なスタイルがありました。私たちはこれらの事例を自社の制度構築の参考とする一方で、自分達のプランが、いわゆるスタンダードなものである、ということを確認しながら制度構築に取り組むことが出来ました。ここで感じた安心感は、自社内だけで作業を進めた場合、絶対に得ることが出来なかったものであると確信しています。客観的な目線と豊富な事例こそが、外部コンサルタントを使う最大のメリットである、と言えるのではないでしょうか。」
今回、フェイス総研が提供したコンサルティングの内容
<トラフィックゲート様 研修説明資料>


